アジアのケージフリー卵の生産を加速するプログラム

2020年06月23日

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私たちグローバルフードパートナーズ(GFP)のミッションは、食品企業のアニマルウェルフェアに配慮した調達目標を支援することであり、常に革新(イノベーション)を必要とします。私たちにとってこれは、革新的なパートナーシップと戦略を意味し、既成概念にとらわれず、サプライチェーンの長期的な変革を生み出すために必要なソリューションを創造することを意味しています。

GFP-ImpactAlliance

この度私たちはインパクト・アライアンスとパートナーシップを組むことになりました。この取り組みは主要なサステナブル・スタンダードの組織 ——テキスタイルエクスチェンジ(Textile Exchange:皮革と綿)、持続可能な牛肉のためのラウンドテーブル(Global Roundtable for Sustainable Beef:牛肉)、プロテラ財団(ProTerra Foundation:大豆)、グローバルフードパートナーズ(Global Food Partners:ケージフリー卵)—— が協力し合う初の試みです。インパクト・アライアンスは、企業が主要なコモディティ商品の原料の仕入れにおける持続可能な目標を達成するための支援を行っています。インパクト・アライアンスへの参加は、特に困難なアジア市場において、ケージフリー目標を達成しようと取り組んでいる私たちのクライアントやパートナーにとって重要なツールとなるでしょう。 

私たちは、食品企業との一対一での対応や、より福祉水準の高いケージフリーシステムに移行するサプライヤーを農場でサポートするなど、従来のサービスを継続しますが、アライアンスに参加することで、ケージフリーポリシーを実行するための新たなツールを提供できるようになりました。

このアライアンスを通じて、食品企業はケージフリーのインパクトインセンティブの購入や、インパクト・パートナーシップへの参加が可能になります。これらは、食品企業がケージフリーコミットメントを推進し、ケージフリー卵の生産を加速させ、より高いアニマルウェルフェア基準を満たす農家に金銭的なインセンティブを提供するのに役立ちます。

Impact Incentive Wheel

インセンティブのアイデアは以前からあり、RSPO(持続可能なパーム油に関する円卓会議)やRTRS(責任ある大豆に関する円卓会議)など、すでに確立された他の信用取引プラットフォームをモデルにしています。現在、私たちはこの技術と経験を、ケージフリー卵を含む他の商品にも応用しています。 

ケージフリー・インパクトインセンティブの仕組みは以下の通りです。

  1. 認可されたケージフリーの基準やベンチマークを満たした生産者は、その生産したケージフリー卵に対して証券 (インセンティブ)を受け取ります。ケージフリー卵1,000個で証券1件に相当します。
  2. 生産者はインパクト・アライアンスのケージフリーエッグプラットフォームに登録してこれらの証券を販売します。
  3. 食品企業は、同じプラットフォームに登録し、年間で使用する卵の全てもしくは一部に対し、この証券を購入することができます。購入者がサプライチェーンの中でケージフリー卵を物理的に受け取ることはありませんが、ケージフリー卵の生産にインセンティブを与え、ケージフリー卵を支持するとアピールをすることができます。

ケージフリー・インパクトインセンティブの最も魅力的な利益の例として、以下が挙げられます。

スピーディーな実施
私たちは、食品企業がサプライチェーンをマッピングし、新しいケージフリー生産システムを理解し、新しい生産者に移行するまでにかかる時間を省くことができます。食品企業は、クレジットを購入したらすぐに、ケージフリー誓約の進捗状況を関連するステークホルダーに伝えることができます。

柔軟性
インセンティブは卵の実際の賞味期限とは連動しておらず、長期間保有することができ、国や地域レベルでまとめることができます。

効率的な運用
食品企業は、卵の既存のサプライチェーンを乱すことなく、ケージフリー卵の生産をサポートすることができます。卵のサプライヤーを変更したり、サプライチェーンの継続性を危惧する必要はありません。その代わりに、インパクトインセンティブは、最終的には現物調達に結びつくように、ケージフリー卵の供給体制を構築するのに役立ちます。より高いアニマルウェルフェア基準を満たした生産に向けて努力している農家には、ケージフリー卵とケージ卵の価格差が収入として入ります。アニマルウェルフェアのためとしてケージ卵とケージフリー卵の間の差額分を農家に直接支払い、サプライチェーンの各段階でそのコストを増加させるのではなく、食品企業は、インセンティブを送るためのわずかな手数料で、ケージフリー農家を直接支援することができます。インパクトインセンティブは、場所や規模に関係なく、小規模農家を含むすべての生産者が、アニマルウェルフェアに充てた分の金額を収入として得る機会を作ります。また、農家にとっても持続可能で包括的なものとなります。

ステークホルダーが賛同
インパクトインセンティブは、企業がケージフリー目標を果たすための手段として、主要な国際的な動物擁護団体に支持されています。

進むべき道
インパクトインセンティブは、ケージフリー卵の生産に向けた重要な第一歩です。というのもインパクトインセンティブは、発展途上国市場におけるケージフリー卵の重要な供給への投資と開発に貢献するからです。これは、最終的にケージフリー卵を物理的に調達するためのインフラと道筋を提供します。

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食品企業には、さらに一歩進んで、インパクト・パートナーシップに参加するという選択肢もあります。インパクト・パートナーシップを通じて、食品企業は、卵生産者がケージフリー生産システムに移行するためのトレーニングやインフラを直接支援します。ケージフリー卵のインパクト・パートナーシップ・プログラム・パートナーとして、グローバルフードパートナーズの動物学者と専門技術者からなるチームは、生産者にトレーニングを提供し、食品企業と協力してインパクト・ストーリーを作成し、伝えていきます。インパクト・パートナーシップの目標は、3年以内に、これらのケージフリー卵農家がインセンティブの取引を行うか、ケージフリー卵を食品企業に直接供給するようになることです。

アジアのような発展途上市場においてケージフリー卵のサプライチェーンが持つ独自性は、食品企業がケージフリーポリシーを実施する上での障壁につながるおそれがあります。インパクトインセンティブの革新的な力によって、いまや食品企業は、現在のサプライチェーンを妨げることなく、持続可能性目標を推し進めることができるのです。それと同時に企業は、インパクト・パートナーシップ・プログラムを通じて、ケージフリー卵生産の世界的な進展を率先して支援することができます。皆様が私たちと同じく、現状に変革をもたらすインパクト・アライアンスの力に心を躍らせ、卵生産における長期的な持続可能性を駆動すべく私たちの仲間になっていただければ幸いです。

さらに詳細について知りたい方はこちらへご連絡ください:japan@globalfoodpartners.com

または、直接このリンクから、 グローバルフードパートナーズ最高執行責任者(COO)との無料面談をご予約ください。ご連絡を心よりお待ち申し上げております。

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